釈迦頭
バンレイシ科(バンレイシか、学名: Annonaceae)とは、モクレン目に分類される科の1つである。多くは常緑性の木本であり、葉は互生し、花はふつう3枚の萼片、3枚ずつ2輪の花弁、多数の雄しべと雌しべをもつ(図1b)。果実はふつう液果であり、集合果を形成する(図1a)。世界中の熱帯から亜熱帯域に分布し、およそ110属2,400種程が知られ、モクレン目では最大のグループである。日本には、ただ1種クロボウモドキが八重山諸島に自生している。

バンレイシ属のバンレイシ(釈迦頭、スイートソップ、シュガーアップル)、トゲバンレイシ(サワーソップ)、チェリモヤなどの果実は熱帯域で広く食用とされるが、輸送が困難なためほとんど現地で消費される。また北米産のポポー(ポーポー)は、ときに日本でも植栽される。イランイランノキの花から得られる精油は、香水などに利用される。

特徴
高木から低木、またはつる性の木本(藤本)であり(下図2a, b)、多くは常緑性であるが、落葉性のものも知られる[3][1][4][5][6]。精油細胞をもち、しばしば芳香をもつ[1][4][5]。毛(毛状突起)は単純または星状[3][1][4]。茎の髄はときに隔壁をもつ[1][5]。一次維管束はときに管状[5]、道管要素は非常に細く、隔壁は直角、単穿孔をもつ[3][5][7]。しばしば材の放射組織が目立つ[3][5][7][6]。師管の色素体はP-type、繊維状タンパク質を含む[5][7]。節は3葉隙性[3][7]。