かわう
カワウ(河鵜、川鵜、学名: Phalacrocorax carbo)は、カツオドリ目(以前はペリカン目に分類された[3]。Sibley分類ではコウノトリ目に属する)ウ科に分類される鳥類の一種。名前の由来は文字通り「河(川)」に生息する「鵜」である。ただし、河川のみならず、湖沼、河口付近や浅海域でも普通に見ることができる。

分布
カワウはアフリカ大陸、ユーラシア大陸、オーストラリア大陸、ニュージーランド、北アメリカ大陸東部沿岸、グリーンランドの一部など広い範囲に分布する[4]。

日本では主として本州、四国、九州に繁殖地があり、留鳥(または漂鳥[5])として生息する[2]。本州北部では夏鳥として繁殖し、青森県下北半島の付け根に位置する六ヶ所湖沼群が繁殖の北限とされていたが[6]、2001年(平成13年)には北海道でも繁殖が確認された[7][8]。北海道には夏鳥(3月中旬-11月上旬)として飛来するほか[9]、冬鳥として九州、対馬、伊豆諸島、小笠原諸島(聟島、父島、母島)、奄美群島、琉球諸島(沖縄島、久米島、伊是名島、渡嘉敷島、宮古島、石垣島、西表島、与那国島、波照間島)、大東諸島(北大東島、南大東島)が知られている[2]。

分布と個体数の変動
日本においては、1920年代以前には本州、四国、九州に広く生息していたが、1970年代には3000羽以下まで減少し、1971年(昭和46年)の繁殖地は、鵜の山(愛知県)、不忍池(東京都)、沖黒島(大分県)の3か所のみとなった[10]。1980年代[11]初頭の繁殖地は下北半島(青森県)、上野公園の不忍池(東京都)、知多半島(愛知県)、南伊勢町五ヶ所浦(三重県)、沖黒島(大分県)などであった[12]。その後、1980年代には2万-2万5000羽、2000年(平成12年)末には5万-6万羽までに増加した[10]。公害規制による河川水質の向上で餌となる魚が増え、1990年代以降[4]、その数は飛躍的に増加した。現在15万羽以上に増えたと推測される。

亜種
P. carbo carbo (Linnaeus, 1758) 基亜種 - 北ヨーロッパ、北アメリカ北部。冬季はガルフ・コースト、アフリカ北西部まで。[13]
P. carbo sinensis - 北・中央ヨーロッパから中国南部。冬季は東南アジア(インドネシアを含む)まで[13]。
P. carbo hanedae (Kuroda, 1925) 亜種カワウ - 日本(本州[13]、四国、九州)、サハリン、韓国、台湾[2]。
P. carbo maroccanus - アフリカ北西部沿岸(モロッコからモーリタニア)[13]。
P. carbo lucidus - アフリカ(サハラ砂漠以南)、カーボベルデ [13]。
P. carbo novaehollandiae - オーストラリア、タスマニア、ニュージーランド、チャタム諸島 [13]。

カワウ(オーストラリア)

繁殖羽(インド)
形態
全長約82cm[12] (80-101cm[14])、翼開長約135cm[12] (130-160cm[14

かわう
2023年11月1日神戸市垂水区のなぎさ池の東側で海猫と一緒にいる「かわう」を撮影しました。

かわう