造幣局の桜の通り抜け



 「通り抜け」のご案内

 造幣局の所在地であるこの辺りは、昔から景勝の地として名高く、春は桜、夏は涼み船、秋は月などと四季おりおりの賑わいをみせ、特に春には、対岸を桜の宮と呼ぶにふさわしく、この地一帯に桜が咲き乱れていたそうです。
 造幣局の桜は、明治の始め、藤堂藩の蔵屋敷(現在、重要文化財に指定されている泉布観の北側)から移植されたもので品種が多いばかりでなく、他では見られない里桜が集められていました。
 明治16年(1883年)、当時の造幣局長遠藤謹助の「大阪市民の皆さんと一緒に花見を楽しもうではないか。」との発案で、混雑緩和のため一方通行にして一般に開放することになりました。
 これがいつしか「通り抜け」呼ばれるようになり、今日までの永きにわたり大阪市民をはじめとした多くの皆様に親しまれ「大阪に花の里あり通り抜け」(本田渓坊作)と詠われるように愛されています。
 現在ここにある桜は、関山(かんざん)松月(しょうげつ)普賢象(ふげんぞう)楊貴妃(ようきひ)などの八重桜が主です。
 なかでも、大手毬(おおてまり)小手毬(こてまり)などは造幣局以外ではめったに見られない珍種といわれています。
 もともと、桜は煤煙や塵埃などで汚染された環境の中では育ち難く、特にここにある品種は生育が困難とされていますので専門家の指導を受け、できる限りの手入れに努めて」います。
 どうか皆様、大阪の名所「通り抜け」の桜を今後とも末永く保存するため、可愛がってください。
                                               造幣局


2009年4月17日 撮影
   
造幣局の通りぬけ→一方通行  千里香
東京荒川堤にあった桜で芳香があるためこの名が付けられた
花は大輪で白色、花弁数は5~7枚。 
   
 紅笠
北海道松前で育成された八重桜で花はその名にふさわしく
淡紅色の大輪である
松月 
   
 東錦
東京荒川堤にあった里桜で花は淡紅食で花弁数は18~
20枚の大輪の優雅な品種である
寒山 
   
 紅笠 高遠小彼岸桜(たかとうこひがんざくら)
長野県高遠町高遠城址にある桜で同県の天然記念物
に指定されている。花はやや小ぶりの一重桜で花の色
は濃い紅色で枝が見えなくなるほどに花をつける。 
   
 菊桜 平野撫子 (ひらのなでしこ)
   
 御衣黄(ぎょいこう) 麒麟(きりん)