化野念仏寺
化野念仏寺(あだしのねんぶつじ)は、京都市右京区嵯峨鳥居本化野町にある浄土宗の寺院。山号は華西山。本尊は阿弥陀如来。化野は東山の鳥辺野(とりべの)、洛北の蓮台野と並ぶ平安時代以来の墓地であり、風葬の地として知られる。

歴史
伝承によれば弘仁2年(811年)、空海が当地に野ざらしになっていた遺骸を埋葬して供養のために千体の石仏を埋め、五智如来の石仏を建てて五智山如来寺を建立したのに始まるとされる。その後、法然が念仏道場を開き、名称も念仏寺となったという。
本尊は阿弥陀如来像(寺伝では湛慶作というが実際の作者は不明)、本堂は江戸時代の正徳2年(1712年)に寂道により再建された。
明治30年代に宗教奉仕団体、福田海(ふくでんかい)の開祖である中山通幽(なかやまつうゆう)師が、埋没していた無縁仏を掘り出し集めた。そしてそれらは釈尊宝塔説法を聴く人々の姿になぞらえて配列、安祀している。その数は約八千体で、石仏と共に発掘される壺や古銭の時代考証によると平安から、鎌倉、室町、江戸の各時代に及ぶ。この無縁仏の霊にローソクをお供えする千灯供養は地蔵盆の夕刻より行われる。石仏や石塔の一処に会して肩を寄せ合う様に並ぶ全景は、空也上人の地蔵和讃にあるように、嬰児が一つ二つと石を積み上げた河原の有様を思わせることから賽の河原にちなんで西院(さい)の河原という。[1]

境内には水子地蔵もあり、地蔵菩薩の縁日には水子供養が行われている。

境内図